11月21日から22日にかけて、茨城県境町で行われた「持続可能な地域創造ネットワーク」が主催する全国大会に参加してきました。持続可能な地域創造ネットワークは、環境自治体会議と環境首都創造ネットワークが統合して発足された組織で、東海村村長も共同代表になっていることから全国大会に出席し、SDG’sの関りから環境村民会議の私も参加ということになりました。
会場になった境町は、面積が東海村の1.2倍の46.6㎢、人口が23,800人で東海村の6割ほど、人口密度が511人/㎢で東海村の996人/㎢の約半分ほどの人口密度ですが、ふるさと納税額は上位であり、圏央道に沿った地域では物流拠点となる大型の倉庫類がドンドン建設され、今話題の町となっています。町長さんも若くバイタリティにあふれ、今回の全国大会で町の紹介をされた際には、伝えたいことが一杯溢れて早口でまるでスピードラーニングのように話されていました。
印象に残ったのは、町の色々な事業をやるためにふるさと納税や助成金あるいは交付金を積極的に集めているという話でした。会社組織でお金を稼ぐのは当たり前ですが、地方自治体でお金を稼ぐ(引っ張ってくるという方が正しいでしょうか)ことを前面に出しているところは中々無いのではないでしょうか。これは地元自治会が運営活動資金不足で困っているのを見て、自治会も事業や色々な手段を使ってお金を稼げば良いのにと考えている自分の想いと合致するものでもありました。何年か前に読んだ木下斉さんの「稼ぐまちが地方を変える」には補助金に頼るなと記述がありますが、境町では補助金で基礎固めをして恐らく次を考えていることでしょう。
境町では特筆すべきものがもう一つあり、それがほぼ自動運転の小さなバスです。11人乗りのこのバスは時速20㎞/hで走り、町内のルート内を定期運航されています。まだ信号機との協調が取られていないため、交差点では同乗するオペレータの操作が必要ですが、停留所でのドアの開閉から出発、停止、障害物の回避についても自動で行われます。さらに運行委託会社の遠隔監視システムにより緊急時には、すぐに係員が駆け付けて対処できるようになっているそうです。交通弱者が普段の生活に利用できる優れものであると感じ、将来は私も利用してみたいと思いました。ちなみにこの自動運転バスは、境町だけではなく北海道や愛知県、羽田空港でも運用されているようです。
参加者は市町村の首長と行政の職員ばかりで、私のような民間団体では場違いではないかと感じていましたが、色々な事例紹介を受け、興味深いものがありました。首長さんたちの弁舌爽やかさに改めて感心し、色々な取り組み事例を拝見して貴重な体験を得ることができ、これからの環境活動に役立てたいと思った次第です。