出典)温室効果ガスインベントリオフィス/
全国地球温暖化防止活動推進センターウェブサイト(https://www.jccca.org/)より
地球温暖化の原因はCO2と言われ、日本では2050年までにCO2の排出量を実質ゼロにすると目標を掲げています。実はCO2だけが悪者ではありません。CO2の地球温暖化寄与率は21%程度で、寄与率が一番大きいのは水蒸気で48%です。その他にも、フロンや色々な気体が地球温暖化を助長しています。しかしながらCO2は植物の光合成に必要なもので、CO2がなければ地球上のあらゆる生物が生まれなかったほど重要なものです。
では何故CO2の排出量を抑えなければならないのでしょうか。
現在の地球は、大気中に含まれるCO2や水蒸気などの温室効果ガスで温暖な気候が保たれています。温室効果ガスが無ければ太陽から受けた熱エネルギを、輻射により宇宙にすべて放出し地表の温度はマイナス19℃程度になってしまいます。この温室効果ガスの存在によって地表ではおおよそ14℃になり、地球上のすべての生き物が暮らしやすい環境になっています。しかし、温室効果ガスが増えすぎると宇宙に逃げるはずの熱エネルギが地表に留まることになり、気温が上昇します、これが地球温暖化です。気温が上昇すると各地で異常気象となり、干ばつが起こったり、豪雨による自然災害も発生したりします。それだけではなく、その地域にはなかった病気が発生することもありますので、気温の上昇を防がなくてはなりません。
温室効果ガスのうち、水蒸気を見てみると空気中の水分量は、飽和水蒸気量というもので温度により決まっています。気温が上昇すると空気中に蓄えられる水分量つまり水蒸気量は増加します。水蒸気が増えれば、掛布団を厚くするようなもので輻射熱が宇宙に放出されることを防ぎますので、さらに暖かくなります。よって水蒸気量を抑えるためには気温を下げることが重要です。
一方、CO2に目を向けると18世紀の産業革命以降、石炭、石油などの化石燃料を燃やしてエネルギを得る人間の活動によりCO2が増え続け、植物の光合成あるいは海洋による吸収が行われても、消費処理が間に合わない量のCO2が発生し、それに伴いCO2の温室効果により気温が上昇してきました。これがCO2の排出量を減らす理由なのです。
CO2の排出量が実質ゼロということは、排出量をゼロにするわけではありません。植物などの消費処理と排出量が平衡している状態が実質ゼロということだと思います。化石燃料を燃やしてエネルギを得る活動を減らすことだけではなく、木を植えるなどの森林整備を行う行動も必要だと考えます。これを全世界の人々が心がけて行動すれば、地球温暖化を防ぐことができると思います。