タバコのポイ捨て

 日課である早朝に行う犬の散歩で近所の交差点の信号待ちをしていたら、足元に捨てられたタバコの吸い殻があることに気がつきました。タバコはフィルタのところで消えており、アスファルトの焦げ具合から火が着いたままポイ捨てられたもののようでした。交差点を渡るとそこにも吸い殻が落ちていて、これも火が着いたまま捨てられたように少しタバコの灰が付いていました。歩きながら歩道を見ると幾つかの吸い殻が落ちていて、同じ銘柄と吸い殻の状態から毎日のようにこの歩道を利用し、同一人物がポイ捨てしているのではと思いました。

 

 先日テレビで警察関係の特集番組があり、河川敷における大規模火災の捜査で一人の初老男性が職務質問を受けていました。男性は警察官と話をしている間にタバコを吸いながら話し、吸い終わると側溝に火が着いたままポイ捨てしました。警察官にポイ捨てを咎められると悪びれる様子もなく、つい癖で行っている旨を話していました。実は、タバコのポイ捨ては「軽犯罪防止法」に抵触します。この男性に限らず、タバコの吸い殻がごみであるという認識が欠けており、他人に迷惑をかけている、あるいはかけてしまうという認識の低さがポイ捨てを助長していると言えます。

 

 ポイ捨てされたタバコの中には、多くの有害物質が含まれています。吸い殻のフィルタには、ヒ素、ニコチン、多環芳香族炭化水素、クロム・カドミウムなどの重金属類が含まれており、これらの有害物質が分解されにくいタバコのフィルタを通じて自然界に拡散されています。路上や側溝に捨てられた吸い殻は、排水を伝わって河川や海に流れ込み、少しずつ小さくなりながら分解されず海を汚染しています。

 

 このように街中で見かけるタバコの吸い殻は、実は海洋汚染と無関係ではありません。あなたの心掛けが明日を変えます。自分や家族、地球のためにタバコを辞めることを検討するのも良いことかも知れません。未来のために良い選択をしましょう。