自然共生社会部会では,私たちの活動のヒントを得るため,毎年先進地視察として研修会を行っています。今年度は,東海村総合福祉センター「絆」北側緑地の活用方法を検討するワークショップの参考にするため,研修先に埼玉県上尾市,川越市,川島町の境にある三ツ又沼ビオトープを選び,視察に行ってきました。
参加者は役場職員を含む19名。役場玄関前を午前9時に出発し,車中で自然部会員であり茨城県環境アドバイザーでもある廣瀬さんから,三ツ又沼ビオトープの歴史や生き物等についての事前説明を受けながら,午後1時半に現地に到着しました。荒川上流河川事務所(国土交通省関東地方整備局荒川上流河川事務所河川環境課)の方が沢山の資料を揃え出迎えてくれました。
三ツ又沼ビオトープは,河川工事により以前は川だった部分に沼が残ったもので,周りにはハンノキ,ヤナギ,コナラ,クヌギ林等が点在しており,木道で散策できるようになっていました。説明者が一緒に回りながら,沼や林のそれぞれの場所で運営・管理方法などを説明され,我々の質問にも丁寧に答えてくれました。
沼はさほど大きくなく,木道から離れているため身近に見ることはできず,季節がら虫や鳥もあまり見られませんでした。セイタカアワダチソウ等の外来種を積極的に引き抜いて在来種を守っている事や,小中学生がハンノキを種から育て植樹していること等は大変参考になりました。また,整備活動に規定の回数参加した市民を「環境サポーター」に認定する制度や,外来種除去作業を自然観察などとセットにしてイベントとして実施していることも,素晴らしい取組みであると感じました。
今回の研修は,行政からの参加者も多くあり,自然を見る目が変わった,自然を残そうと守っている人たちに感動した,人の集め方や管理の仕方を考えたい等,今後の職務に活かしたいとのコメントが挙がりました。自然を見る目に我々村民との共通点を見出すことができたように思います。今後も行政と協力しながら,「絆」北側緑地の整備活動などに活かしていきたいと思います。